不測の兆候
~ Zodiacal Pantheon
「神王の様子がおかしい」
アキュールが口を開いた。
「それが召集の理由か」
リプリエルユールが続ける。
「そうだ」
ジュスティエールが神妙な顔で頷いた。
「イヴは何か?」
アリアジュールが尋ねる。
「確かにおかしいとは思いますが、それ以上は何も」
対してイヴュールが答えた。
わずかな沈黙。
「どうしようもねーだろ」
コリウステュールが吐き捨てるように言う。
「確かに。目立って動くべきではないな」
タレストリユールだ。
「由々しき事態に陥ってからでは手遅れになるかもしれません」
ヴィジューレルが反意を示す。
「由々しき事態、とは?」
聞いたのはヴィナシュール。
「想像はつくが」
ミステュールが濁す。
「放っておくのが正しい判断だとは思えん」
パディユールは語気を強めた。
「真相を知るべきだろう」
リヴ・ミュレルが言った。
神の世界で勃発し、伝説となる戦争。
神界綺戦。
これはその序章にも満たない。
…そう、兆候。