Grim Saga Project

緊急と時間と憂鬱と 36話

 
 
 
 
 
「おー、寝坊かー」
 
 
 
 私は声を掛けられた。
 確かに毎週欠かさず受講していた心理学の講義を今日はサボった。
 
 
 
「あ、園田教授、すみません、なんだか今朝は具合が悪くて」
 
 
 
 にやっと笑うと、園田は足早に私の横をすりぬけた。
 
 ひょろ長い。
 それが園田教授の第一印象であり、もしかするとそれ以上も以下もないのかもしれない。
 付け加えるとすれば、彼がかなりの変わり者だということぐらいか。
 
 先程のように会話と行動を結ぶシナプス結合のような連結部はだいぶ一般的なそれとは掛け離れているようだ。
 時には会話すらよくわからなかったり、講義の内容も中々興味深いものである。
 はっきり言って、たやすく理解出来るものではない。
 
 だが、真剣に聞いていると、言っていることの意味がわかるパーツを見つけることが出来たりすることもある。
 教授なのだから、当然ただの変人ではないのだろうけど。
 
 
 
 昨夜は未知と話し込んだ。
 私達が出来ることについて。
 更に帰宅してからも睡眠を差し置いて、思考した。
 
 このままではいけない。
 
 未知も未知なりに考えていた。
 その結果が、アレ。