緊急と時間と憂鬱と 07話
「フー、最近光平と話してる?」
未知が質問を重ねる。
そういえば最近は顔を合わせても、大して話はしていない。
ちょっと前まで私の顔を見れば、何か話しかけてきていた光平であることを考えると微妙な違和感を覚える。
「あんまり」
「でしょ」
ほらね、って口調で未知が言う。
当人の私が思うより、周囲はその変化を大きく受け止めているようだ。
「そりゃ確かに変だな」
大気が同意した。
「そういやここんとこ光平来てねーな」
マスターが口を挟む。
多い時はそれこそ毎日ここに足を運んでいた光平が、一週間顔を出してないというのは確かにおかしい。
「そういや俺も最近あいつの顔見てないな」
前回光平が来た一週間前は、私と未知と三人だったことを思い出す。
コーラを頼む光平の姿を、私は思い描いた。
「未知、それ光平に直接理由聞いてみたら?」
さらっと大気が言った。
「うーん。
それでも別にいいんだけどね。
なんていうか、…波があるのよ。
あれ?って思ったのがちょうど一週間ぐらい前で、それから数日ぐらい変な感じがしてたのね。
だけど、昨日とか今日は割と普通の光平なの」