Grim Saga Project

緊急と時間と憂鬱と 06話

 
 
 
 
 
「最近の光平、なんかおかしくなあい?」
 
 
 
 ビール片手に未知が発した最初の言葉がこれだった。
 
 
 
「未知、お前さ、もしかして、それが俺達を今日呼んだ理由?」
 
「うん」
 
「ここじゃ、いつ光平が来てもおかしくないのに、どうしてわざわざここで?」
 
 
 
 聞いてみたのは私。
 私は、おそらく大気も、未知が今日話す内容について、かなり色んな可能性を考えていた。
 
 ここに集まって話すことだからという理由で、光平に関する内容である可能性は、自分の中でかなり下位にランクさせていたのだ。
 
 
 
「あぁ、そういえばそうだねえ。
でもその時はその時で、また日を改めればいいし、場合によっては光平に直接聞いてもいいかな、って。
それにほら、光平以外の三人で集まるのって、意外とないでしょ。」
 
 
 
 安堵のため息。
 私も大気も少し安心した。
 最悪の話題として想定した内容ではなかったからだ。
 
 しかし、光平がなんかおかしい、ってのはどういうことだろう。
 
 
 
「フーも割と光平と顔合わせるんだろ?
何か感じてることある?」
 
 
 
 大気が私に聞いた。
 
 んー。
 なんだろう。
 最近は取り立てて、トラブルも巻き起こしてないし、馬鹿なこともしていない。
 
 逆に言えば、光平にしては何も起こさな過ぎだとは言える。
 それをおかしいと言えば確かにおかしい。
 
 私はそれを素直に未知と大気に伝えた。