Grim Saga Project

緊急と時間と憂鬱と 04話

 
 
 
 
 
 夕暮れ時。
 Twilight Wing にやってきた二人目の客は未知ではなかった。
 
 
 
「よっ、フー」
 
 
 
 「フー」というのは私のことだ。
 本名である。
 風に雨と書いて「ふう」というのが私の名前。
 
 
 
「あれ?大気が先か」
 
 
 
 やってきたのはいつもの4人組の中の一人、地倉大気。
 いつもの4人組、といっても大気以外の三人は学生。
 自ずと集合頻度は大気だけ若干落ちる。
 生活リズムが違うせいだ。
 
 
 
「…ってことは、フーも未知に呼ばれたわけだ」
 
「うん」
 
「イヤな予感だな」
 
「…うん」
 
 
 
 大気も私と同じ感覚だったようだ。
 連日のようにここで時を過ごす4人組だが、気が向いた人が好きな時に勝手に来るのが暗黙の了解。
 
 わざわざ呼び立てる、なんてことをしなくても、かなりの頻度で誰かしらに会う。
 
 
 
 大気はお決まりのジンジャーエールを注文した。