時空と人と不穏と　18話

　
　
　
翌日、私は光平に頼んで更に追加の情報を仕入れることにした。
四つの事件にはまだ共通点があるはずだと気付いたからだ。
そして、結果は思った通りだった。
　
座席である。
一見気付きにくい共通点だが、私には確信があった。
よく考えたものだ。
被害者の共通点は後ろから二番目の席であること。
列は問わない。
が、もしかしたら左右どちらかの端が良いかもしれない。
4人の被害者の内、一人ずつがそれぞれ左端と右端だった。
　
更にもう一つ、共通点がある。
それは被害者の後ろの席の人間が女子生徒であること。
被害者が女性てあることももちろん重要な要素だ。
これだけ揃えば、手法についても完全に把握したと言っても良いだろう。
　
念押しのために、琴子にもう一度話を聞いてみることもした。
真崎の授業の内容についてだ。
英語の内容ではない。
授業の仕方の方だ。
　
真崎は割と面白おかしく授業を進める。
甘いマスクで面白いことを言いながら効率良く英語のポイントを教えるので、授業自体はうまい方だと思う。
また、男子生徒からの人気は最悪で、女子生徒からはまあまあ。
これは好みに近いとは思う。
授業の合間には女子生徒と話している姿もそこそこ見かける。
　
そう、私は確かに真崎が犯人であると考え過ぎていた。