時空と人と不穏と 07話
光平には何が何だかさっぱりわかっていなかったようだけど、私の考えた通りだった。
キョーコのサイフがなくなったことについて、その周辺の状況や情報を聞いていくと、どうやら5時間目の授業中が怪しくなる。
英語の授業中に盗難が起きたと仮定すると、みんながほぼ着席した状態で授業が進むことから怪しいのは英語の教師ではないかと考えた。
盗難方法はまだわからないとしても、ここまでの条件で犯人は示唆している、というわけだ。
授業中に盗難という犯罪を行うという一見大胆な手口がうまく行っているとすれば、一度では済まないのではないか。
その確認結果がクロだった。
「あれ?でも、その話はまだ生徒たちには伏せているはずだけど…」
桐島が言う。
「校内で一週間に三回も起きれば、そりゃ生徒の中でもうわさになりますよ」
「それもそうか。それで?」
桐島は見た目はほんわかしているが、中々頭はキレる。
つまり、私が桐島は事件には関係がないと判断して相談に来たことを察した。
「はい。実は…」