時空と人と不穏と 06話
私は光平を連れて、職員室に行くことにした。
担任の桐島翔子を探す。
幸い自席にいた。
「桐島先生、ちょっといいですか?」
「あれ、時宗に空山、どうした?」
私は小声になった。
「はい。実はちょっとあまり人に聞かれたくない話がありまして。」
「ん?じゃあ教室にでも行くか?」
桐島も合わせて小声になる。
「いえ。ここでいいです。すぐ済みます。…最近ウチの学年で、学校内で盗難被害に遭っているという話をいくつか聞いたのですが、何かご存知ありませんか?」
「ああ、またか?実はこの一週間でもう3件目なんだよ」
やっぱり。
隣で光平がきょとんとしている。