時空と人と不穏と 03話
空山光平が幼馴染の私に相談事を持ち込むのはいつものこと。
うっとおしく思いつつも慣れてはいた。
このピュアというか、邪魔くさいというか、微妙で半端な関係がもう10年以上も続いているのだ。
光平は自分で解決できもしないくせに人の問題に容易く首を突っ込む。
そして色々な能力が、良くて人並み、それ以下のものも多い。
トラブルメーカーだし、何もできないのび太君のようなキャラクター。
取り柄は明るいこと。
そうなると私はドラえもんか。
ネコ型ロボットでもないし、四次元ポケットもないけれど、他人のために自分まで困ってしまう光平に引きずられて何度必死に問題解決に奔走したか。
私はそこまでお人好しでもない。
ないけれど、あまりに頻繁に光平とトラブル解決に取り組んでいるために、二人セットだと思われてしまっているケースも多いようだ。
他に彼氏がいるわけでもないし、実際光平と付き合っているわけでもないので、
「時宗さんって空山くんと付き合ってるの?」
と聞かれても、真顔で「いや全然」と返すことが出来るし、ダメージもない。