時空と人と不穏と 02話
しかしよくよく聞いてみると確かに不可解ではあった。
朝はあった。
鞄に入れ忘れたのではない。
昼はパンを買って食べた。
その後、鞄から長時間離れていない。
そして放課後の今、財布がない。
聴くだけなら得意の光平は、文字通りキョーコの悩みを聴いた。
そして、いつもの通り、幼馴染を頼る。
「どうして光平はそうやって面倒を持ち込むかな…」
「まあそう言うなって」
「言いたくもなるでしょ、毎日毎日何かしら」
と、ボヤいたものの、光平の明るいキャラクターと人を放っておけない性格について、私はイヤというほど知っていた。
気が進まないけど、仕方が無い。