Grim Saga Project

聖戦再び
 ~ Occuring Theomachy Again

 
 
 
 
 
シキは帰ってきた。
 
 
 
クロスシェリンの意思に触れ、初めて生存した神、シキ。
 
 
 
彼の接触はクロスシェリンの予見によって定められていた。
 
そもそもルインディスタが異端だったのではないか。
 
グリムが生まれたことが間違いの始まりだったのではないか。
 
 
 
 
 
諸説唱えられた。
 
そのどれが本質なのか。
 
それは神々が知り得ない話。
 
真実は未だ闇の中。
 
いや、光の中、という方が正しいのかもしれない。
 
 
 
 
 
異変は起こっていた。
 
定期的に発生していたグランドクロス、次回は神界緋戦発生から一万年後。
 
それは神々の太陽系観測からも間違いなかった。
 
気がつくのが遅かった。
 
太陽系に気を取られ過ぎていた。
 
 
 
 
 
次元歪曲がその形を大きく変えようとしていたのだ。
 
太陽系と黒陽系の距離が限りなくゼロに近付く。
 
神々でさえも何が起こるのか全くわからなかった。
 
 
 
 
 
衝突。
 
下手をすれば消滅。
 
銀河系レベルでの事象まで現神々は制御することが出来ない。
 
 
 
 
 
事が起きるのは神界緋戦から7777年後。
 
神々は協力して、最悪の結末を回避するはずだった。
 
事態はしかし、変化した。
 
太陽系と黒陽系が次元歪曲を通じて近接したことによる惑星の関係の変化。
 
グランドクロスが発生したのだ。
 
これにより最終局面にあるのは消滅ではない、と考える神々が現れ始めた。
 
 
 
 
 
次元歪曲の拡大を推進する神々。
 
危険論であると反論する神々。
 
さらにグランドクロスのエターナルコアを巡る争い。
 
こうして幾重にも重なる思惑が交錯した、史上最大の神々の戦争が始まった。