Grim Saga Project

V09. バレッタ

 
 
 
ジジ…ジジジ…。
ん。
これ、なんだろ。
ちょっと今までの神さまたちと少し違う。
まるで、こう電波が微妙に合わないような、弱いような、遠いような。

私、無意識に色んな神さまと繋がってしまうけど、繋げない神さまもいるってことかな。
ジジ…。
ん、でも、…これは…、繋がろうとしてる。

ジ…、ジジ。
ツ……ツワ………、チ…ガ…、…。

え、なに?
何かを伝えようとしてる。
どうすれば繋がれる?
どうすれば聞こえる?

そう、これまで私は何もしなくても繋がれた。
もしかしたら繋がりたいと思っていない神さまとも繋がってしまっていたかもしれないから。
だから自分から強く繋がろうとしたことがない。
私からもっと強く繋がろうとすれば。
もう少しだけ、私に何かを訴えている神さまの声を聞かせて。

ちょっとごめん、と私は呟いた。
ファミレスで隣にいるカナメに伝えて、俯き目を閉じる。
身体を弛緩して、手足をだらんと下げる。
どうやってやるかはわからないけど、とりあえず集中しようと思った。

ジジ…、ジ。
何か言いたいことがあるのね。
大丈夫、聞くから、私が。



私はグリムの器だ。
血が薄まろうとも力は弱まってはいない。



この二言だけが明確に聞こえた。
あとは壊れかけのラジオのような電子音のような音が途切れ途切れに聞こえたけれど、音を言葉として捉えることはできなかった。

ふぅっ…。
は、はあ、はあ。
我に返ったように現実の世界に戻ってきたような、短距離走を思いっきり走ったのかとでも思うような急激な疲れと息切れが私を襲う。

大丈夫…?

目の前にいる、この世のものとは思えないような美貌の女性がテーブル越しに身を乗り出し、私の顔を覗き込んだ。
普段ならそれだけの出来事でそれこそ息苦しくなるような大事件のはずだったが、私はそれどころではない。
ラムさん、と初めて会った女性に声を掛けると私は先ほど聞いた言葉をそのまま伝えた。

女性が目を見開くと、その大きくて美しい瞳たちが潤み、みるみるうちに液体が溢れて頬を伝った。
私にはわからなかったけれど、やはりこの人の器が彼女に伝えかった言葉だったんだな。
伝えられて良かった。