Grim Saga Project

014 MKMM01

 
 
 

 
 
 
まったくもってわからない。
これは何なのだ。
生体反応があるといえばあるし、ないといえばない。
無機物のようでもあるし、有機物のようでもある。
 
刃渡り約1メートル。
刀身は真っ直ぐに美しく伸び、先端10センチほどの部分だけ一方からもう一方に大きく傾き鋭角を成す。
残りの90センチは幅3センチ。
青みを帯びて鈍く光り、女性の自分が持ち上げるとそれなりに重い。
 
束は25センチほど。
ボクは両手で持つが、屈強な男性がこれを振るうなら片手でも十分かもしれない。
重さ1.5キロ。
つまり、剣である。
ナイフほど短くもないし、刀のような和の作りではない。
 
鍛治職人を訪ねて見せてみた際、手放した方が良いと言われた。
不吉な業物だそうだ。
強いていうならサファイアと鋼鉄に近いが、見たことのない金属なのだとか。
鍛治の噂に、こういうものがたまに出回る場合は不幸を運んでくるというものがある。
 
そして、その品をグリムの器と呼ぶ。