006 B03 紡いで輪になる
「実は瞬にも詳しい話はこれからするところなの。あ、私はランプステーキ400gのセット、ライス大盛でお願いします。ドリンクはアイスティー、ミルクとお砂糖は要らないわ。」
「え、ラムって細いのにそんなにがっつり食べるの?意外…。私特選合挽ハンバーグの250g単品とサラダでお願いします。あとペリエ。」
「うーん、それじゃあ僕はサーロインの250gのセット、ホットのラテで。…うん、そうなんだよ。さっき、大枠だけラムから電話で聞いたんだけど、まだ全然意味がわかってなくて。」
「それじゃ、瞬。おさらい。瞬の理解したその大枠を凛にも説明して。不足は補うし、続きや詳細も伝えるから。」
「うん。まず確認ね、凛。今日この後空いてる?多分明日一日ぐらい。」
「え?うん、私は大丈夫だけど…。」
「ほら、意味わかんないでしょ。僕もラムに第一声でそうやって聞かれて、や、そりゃ内容次第でどうにかするけど、って答えた。」
「うん。で、今から24時間以上も押さえて何があるの?」
「ドライブデートだって。」
「え?」
「だってラムがそういう言い方するんだもん、ひどいよね。」
「あはは。面白い。瞬、それそのまま伝えるんだ。」
「変にサマリするより面白いかなと思って。」
「ちょっとー!二人してもう!で、ドライブデートしたらどうなるの?」
「そこからは僕もこれから聞くとこ。ラムが面白がって大事なとこをはぐらかすからさ、全然まだわかんない。一つだけ聞いてるのは、もしかすると行った先で久しぶりのユメカゴ活動になるかも、って。」
「え?器が見つかったの?」
「ありがと、瞬。私が補足するまでもなく、話した内容を順番までそのまま伝えてくれて。で、その通りなんだけど、面白がってるけど、それだけじゃなくて実際私もよくわかんないのよ。私も電話で聞いただけだから。」
「えー?」
「行った先には梨紗と尚都がいる。だけど、二人も何があるかわかんないんだって。」
「なんだそれ…。」
「んー、少なくとも普段近しい瞬や私じゃなくて、ラムに話が行った理由はきっと車を持ってるからなのね。だから相応に時間がかかる場所なんでしょう?」
「うん。正解。片道多分4時間ぐらい。」
「結構遠いね。電車じゃなくて車がいいのはなんでだろう。」
「調べたらあまり交通の便が良い場所ではなかったってのと、二人も車で行ったから、あとは現地での動きがまだ読めないから時間を問わず融通が効いた方がいいんだろうな、ってなんとなく感じてる。」
「でも、ラム、梨紗さんか尚都からせめてもう少し聞いてるんでしょう?」
「うん。二人がそこにいるのは別の理由だったらしいんだけど、偶然そんなところでジャガーと接触があるっぽい。」
「へえ。ジャガー久しぶりだ。元気なの?」
「少なくとも今は多分。…あ、ありがとう、そのお皿は彼女の前に置いてください。凛、食べ始めちゃいなよ。私たちのもきっとすぐ来るから。」
「うん。ありがと。接触ってどういう意味?」
「まだ会ってはないから、どれぐらい元気かはわからない、って意味。あのね、ジャガーから尚都に電話があったんだって。今から水谷科学研究所に潜入してくるけど、12時間経っても再度連絡しなかったら警察に通報しろ、って。よし、瞬も食べよ。私も食べちゃうから!」