Grim Saga Project

幸福キャンパス 059

 
 
 
珍しくオシャレな店で食事をすることになった。
誘ってくれたのは、僕の姉リサとその恋人ナオト。
そこに僕とリン、そしてミアが集まり5人での食事だ。

ファミリーレストランとは違うフレンチだかイタリアンだかよくわからない店だけど、たしかにステキな雰囲気だった。
勝手に色々頼んでおいたから、食事やドリンクの内容は気にしないで、という姉たちの言葉を素直に受け入れる。
おそらくそれは、会計も姉たちがするという意味なのだろうし、そうであればメニューを見て価格を確認しないのがマナーかなあ、なんて考える。

少し細長い6人掛けのテーブル、片側3人ずつの席、向かってやや左にナオト、右に姉リサ。
手前側の真ん中に僕、左にリン、右にミアが腰掛けた。



「本日はお招きいただきまして、ありがとうございます。…でもさ、これウチいない方が良くない?」

「はっは、たしかにミアがいなかったらこりゃダブルデートだわ。でもね、今日はそういうことじゃなくて、ミアにもいてもらわないと困る。」

「え?どういうこと?」

「うん、今日はみんなにちょっとした相談があるんだ。」

「へへ、でもリサさんとちゃんとお話するの初めてだから、ウチそれはめっちゃ楽しみだなぁ…。」

「あら、ありがとう。一応私も正式にユメカゴでもあるはずだから、きっとこれからお話する機会はたくさんあると思うんだけどね。」

「まあまあ、リサもミアも、とりあえず乾杯しようぜ。ちょっと上等なスパークリング頼んどいたからさ。」

「えー、お酒ですか…、まだこっち未成年もいるのに。」

「そういうなって。この前の事件の時、みんな飲んでたじゃん。あ、なんだ、みんな多少はいける口かってことで、こういうメニューにしといたんだ。」

「ふふ、大丈夫だよシュン。どうせそう言うと思ってお酒はこの食前酒だけで、あとは適宜ってことになってるから。」

「姉さんも悪巧み得意そうだから敵う気がしないよ。」

「それじゃあリサさん、とりあえずまずは快気祝いってことで、音頭お願いします。」