Grim Saga Project

幸福キャンパス 039

 
 
 
カズマが亡くなった。
さすがに衝撃が大きい。
いくら自分の器が見つかって混乱したり、色々考えていたからと言って、あの場の解散を決めたのは僕だ。

リンはもちろん、たくさんの人からシュンは悪くないと声を掛けられたけれど、あまり慰めにはならなかったし、自分は悪くないと思えるほど無責任ではなかったようだ。
昨日の夜のことだという。
まだ詳細は不明。

自殺か他殺かもわからないらしいけれど、僕は他殺であると確信していた。
僕とリン、そして僕らの家に泊まりに来ていたミアの三人以外の誰でも犯人足り得る。
ソウ、ユウカ、ナナミ、ソノハも昨夜は一緒にいたというが、4人共犯の可能性もゼロではない。

誰かと一緒にいてほしい、と頼んだが、サオリ、マシロ、ユウキは結局一人だったという。
またマリオと連絡を取ったが、事務的なメッセージがあるのみだった。
彼も犯人候補である。
ユキについてはこれからだが、どうやらサオリはユキについて何か知っているようだ。

身近な人物を失うのは初めてだった。
ケンイチのこともショックだったけれど、おそらくカズマは悪意と殺意に命を奪われた。
ここ最近、僕の周りで急激な変化があったり、非日常的なできごとが多発しているわけだけど、改めて人が亡くなるという事の重大さに打ちひしがれる感覚だ。

カズマは睡眠導入剤の過剰摂取で心臓に急激な負担が掛かったことが死因だったそうだ。
それが自らの意思によるものなのか、他者に仕向けられたものなのか、がまだわからないのだという。
場所はカズマの一人暮らしの自室。
ここまではマリオから連絡を受けた内容だけれど、薬が絡んだことで一気に連続意識混濁事件と繋がりが出て来たように感じた。

さらにマシロがこれまで一人で動いていた裏で警察とのコミュニケーションを取れるようになっていたことには驚かされた。
戌亥という変わった姓の警察がこの事件を担当したそうだが、部下の泉田と共にマシロと繋がっているのだそうだ。
一体どのようなルートでこうなったのかはさっぱりわからない。
マシロの取り計らいで、僕は戌亥・泉田の両名と会話をすることができた。