Grim Saga Project

19-61. Joining

 
 
 
 「うん、瞬。梨紗さんと尚都、連絡してたんでしょ?」
 
 「うん。さっき無事終わったとは伝えたよ。せっかくだからカナメとピネにも紹介しておく?って言おうとしたよね。」
 
 「わ、よくわかったね。」
 
 「そういう顔してたよ。ねえ、カナメ、ピネ。そういうことで僕たちと同じくグリムの器に関わる様々な出来事にたくさん巻き込まれてる仲間と少し話してみる?」
 
 「やっぱりこの周辺に集まっているグリムの器は二人とその仲間にも関係あるんだね。もし構わないのであれば私はとても興味があるな。元々そんなにたくさんの人とコミュニケーションを取るのが得意な性分ではないけど、二人の紹介なら平気かなって。ピネ、どうだろう?」
 
 「私…、ちょっと、お会いしてみたい、です。ずっと、神さまに、頼ってちゃいけないのに。今日も、力を借りてしまって。ずっと投げやりだったから。どうすれば、いいか、…わからなくて。」
 
 「あはは。今から合流しようと思ってるのはね、僕の姉とその彼氏なんだ。多分二人とも大丈夫だと思うよ。」
 
 「え?お姉さん?」
 
 
 
 †
 
 
 
 「こんにちはー、貴女がカナメさんとピネさんね。瞬と凛ちゃんから大体の話は聞いてるわ。イメージしてたより二人ともずっと美人だなぁ。凛ちゃん、大変ね。」
 
 「ちょっと!梨紗さん!」
 
 「たしかに、こんな美人ばっかりじゃ瞬も緊張するわな。」
 
 「ふふ、心配しなくても僕はもう慣れたよ。」
 
 「はあ、カナメさんもピネさんも、二人はこんな調子なの。でも私はものすごく頼りにしてるし、いい人たち。大丈夫よ。」
 
 「うん、面食らったよ。お姉さんもとても美人だと思うんだけど、私はそもそも交友関係が狭くて、あまり標準的な価値観を持ってる自信はないんだ。失礼なことを言ってしまうかもしれない。」
 
 「はは。全然構わないよ。俺たちの交友関係にはね、もっと変わった奴がいっぱいいるんだ。ちょっとやそっとのことじゃ驚きゃしないよ。」
 
 「あ、そういえばね。ラムが近くに来てるんだって。呼んでみる?」
 
 「え、さらに増員はカナメもピネも緊張しちゃうんじゃないかな。」
 
 「ああ、なんだかもう私はここまで来たらやけっぱちというか、何人来ても大丈夫だよ。だしさ、先ほどの占いの結果は真実なんだろう?ピネ。だとすると、まだいるはずだと思っていたんだ。」
 
 「うん。私、うまくお話できないけど…、来てもらうのは、イヤじゃない。」
 
 「いい子たちね。私たちで良ければいつでも助けになるからね。今回は瞬も凛も二人に色々助けてもらったんだろうし。グリムの器って不思議でね。一度魅入られると、なんだか何度もお関わり合いになっちゃうみたいなのよね。なんで私たちなんだろ、って思ったりもするんだけど、もうどうしようもないって言うか。」
 
 「へえ、私たちもその渦の中にもういるんでしょうか。」
 
 「んー、どうなんだろ。それはわからないけど、確かに僕も凛もグリムの器に一度関わってからはもう幾度となく巻き込まれている気がするよ。」
 
 「私、でも、もしそうだったら少し心強い。ずっと、一人で、何もかもどうでも良かったのに、今回、それじゃいけないって。」
 
 「うん、良かったよ。私はピネが心配だったから。もしかしたら、ピネの神さまがここまでわかっていて、こういう流れになったのかもしれないな、って今ふと思ったよ。」