08-33. Mysterious Speculation
「えー、じゃあ野暮だけど、じゃんじゃん行こう!美愛は?」
「ハッピーかを占えばいいかしら?」
「んー、うん。今と未来。全体的・総合的にハッピーかどうか。あと伴侶的な視点もあるといいな。」
「この子は、また数奇ね。でも大きな波もあるだろうけど、基本的には少しずつ幸福には向かう。振る舞いと違ってものすごく考えるタイプね。割と明るく無考えなキャラクタを装っているようだけど、隠すのは下手くそ。素直な子。伴侶、…すぐには見つからないかな。でもいるわ。んー、もう出会ってはいるのかな…、でもそういう形になるのはまだだいぶ先。」
「へえ。たしかにものすごく美愛だなあ。…うーん。」
「どうしたの?まだ時間はあるわよ。」
「私、占いってあんまり経験がなくて。元々は、所詮占いだから真面目な内容も恋バナみたいなのも色々聞いてみよう、って思ってたんだけど、実際に占ってもらったら、なんだかもったいない気がしてきたっていうか…。なんていうのかな、当たるも八卦当たらぬも八卦、ではない感覚というか。未来予知に近いんじゃないかなって。」
「ふふ。面白いことを言うのね。でもあくまでもこれは占いよ。」
「ねえ、カナメさん、私と瞬を彼女と会話させようと思ったのはどうして?あ、私はおまけか。」
「うん、セツナ、いや瞬と凛を彼女と会話させたり占ったりしてもらいたかったことに、実はそんなに深い意味はないんだ。まずは純粋に私の理解の範疇に収まらない人格や、会ったことのないタイプの人間と急に何人も接触して、私はどうしていいかわからなくなった。そこにグリムの器という、さらなる未知の要素が加わる。余計にわからない。グリムの器については、.&で打開を図ろうと思っていたんだけどあまり叶わなくてね。実際器には関係しているようだけど、私の混乱の解消には至らなかった。だから、情報を整理したり、深掘りしたり、共有したりするためには直接会話できた方がいいんじゃないか、って思いついた。単に彼女と瞬が会話したらどうなるのか、に興味があったんだけど凛もとても面白いと思って聴いているよ。」
「面白い、かあ。うーん、なるほど。ねえ、ピネ。でいいのかな、神様?これは占えない、っていうものはある?」
「ジャンルとしては存在しないわ。だけど、モノによってはあり得ます。規模が大きすぎたり、先の未来過ぎたり。あとはそれ以外でも。」
「この星がなくなるまでにあとどのぐらいの猶予があるかは占える?」
「数万年は先。まだまだ遥か未来ね。」
「それじゃあ私たち、人間は?」
「種の滅亡、という意味?」
「うん。」
「少なくとも、星と同時に消滅するようなことではなさそうね。」
「これで占えちゃうなら、規模とか先過ぎる未来で占えない内容ってどんなものだろ…。」
「ふふ。貴女のまだまだ知らない世界があるということね。さあ、ほかにはあるかしら。」