Grim Saga Project

08-27. In Order, Out Of Order

 
 
 
 「はじめまして。セツナこと、瞬からカナメさんとピネさんのお話は聞いてます。凛といいます。」
 
 「ああ、セツナには世話になっている。カナメといいます。よろしく。」
 
 「あ、あ、あのあの、あの、…ピネと呼んでください。」
 
 「二人ともごめんね、急に。凛は僕のお付き合いしている彼女なんだ。今日の場にはいて欲しいなと思って呼んだ。日常の中の非日常だったら、また少し話は違うんだけどね。グリムの器に話が及んだから、だったら一緒に話を聞きたいなって。」
 
 「セツナ、それはつまり彼女もグリムの器に関わりを持っている、という意味だね。」
 
 「うん、そういうこと。せっかくだから先に注文しちゃわない?ちょっと行儀は悪いけど、食べながらゆっくり話す感じの方がいいと思うんだ。」
 
 「うん、私は大賛成だ。ピネ、ここのハンバーグは絶品なんだ。ぜひ食べて欲しい。」
 
 「カナメさん、まだステーキは食べてないですか?ここ、ステーキもとっても美味しいんですよ!ピネさんも!」
 
 「ええっ、どうしよう。カ、カナ、カナメさん、どうしますか…?」
 
 「凛がそういうならきっとステーキも美味しいんだろう。そうしたら私はせっかくだから、今日はステーキにしてみよう。ハンバーグはまた別で食べに来るとするよ。」
 
 「カナメ、めちゃくちゃ気に入ってくれたみたいだね。僕もそしたら今日はステーキにしようっと。」
 
 「あ、じゃあピネさんはハンバーグにしたら?カナメさんとちょっと分け合いっこしたら両方食べられるよ!」
 
 「たしかに…!凛、君は天才か…!そしたら私も両方食べられるじゃないか。まったく思いつかなかった。ピネ、どうかな?私とハンバーグもステーキもシェアしないか?」
 
 「え、うん。私も両方食べられるなら、それがいいな。」
 
 「瞬、私もハンバーグにするからステーキ少しちょうだいよ。なんか両方食べたくなっちゃった。」
 
 「はは、いいよ。そうしよう。」
 
 「カナメさん、この前の時はデザートは食べた?」
 
 「ああ、ティラミスをいただいたんだけど、それがまたこれまでにコンビニのものを買って食べた時の比ではなく美味しかった。主菜と並んでここに来たくなるもう一つの理由になったよ。」
 
 「ふっふっふ。ティラミスも美味しいんだけど、ここのプリンとアイスも驚くほど美味しいんだよ。」
 
 「なんだと…。ハンバーグとティラミスの組み合わせが至高かと思ったが、プリンもおいしいのか。これは困った。」
 
 「えー、じゃカナメさん、デザートもシェアして一緒に食べよう。」
 
 「いいのか、ピネ!最高じゃないか。それでは私はプリンとアイスのセットデザートを食べるから、ピネはティラミスとか何か他のケーキを頼むといい。」
 
 「今日は僕はモンブランが食べたい気分だな。ちょっとまだ秋には早いけど。」
 
 「うーん。私、梨のタルトが食べたいなぁ。お肉を食べたあとにまた考えるけど。ねえねえ、デザートはみんなでシェアしない?一口ずつとかになっちゃっても良ければ。」
 
 「そんなことができるのかい?」
 
 「うん。ここ、何度も来てるんだけどマスターがすごく気さくだし、わがまま聞いてくれるから、そういう取り分けとかも持ってきてくれる時点でやってくれるのよ。そこがすっごく気に入ってるんだ。」
 
 「本当に私は知らない世界だな。何年もコンビニの食事しかして来なかったから、そんなことをしてくれるお店があることすら驚きだよ。」
 
 「いやー、でもこれだけ料理が美味しくて、そういう細かい注文にも対応してくれるお店はほかにそんなないかもしれない。」