Grim Saga Project

04-13. Dot Ampersand

 
 
 
 うん。
 だから、いかつい便利屋が事件のことを尋ねて来るようなことがあったら、基本的には知ってることを伝えればいいと思うんだ。
 
 そうそう。
 ただし、器についてだけは共有しない。
 もちろん。
 みんなにも、うん。
 
 運がよかったと思う。
 一番に僕のところに来てくれて。
 他にも聞き込みはしていたようだけど、中枢の関係者では一番だったみたいだね。
 なぜかはわからないけど。
 そう。
 でも、多分、例の集会は無関係ではないとは思ってるんだ。
 だからこそこの判断だし。
 
 うん、今のところ危険ではなさそう。
 だけど、不穏さは感じるかな。
 なんせまったく目的がわからない。
 それだけに、不要に情報を出すリスクが恐ろしく感じたんだよね。
 
 なんて言うのかなあ。
 でも少なくとも僕以外の四人の内、比較的新参に感じた若い女性二人は、似たような状況かなって印象。
 会の意義とかよくわかってない感じ。
 逆に古参二人は、新参の二人よりもだいぶ詳しい。
 それでも色々わからないながらに進めてるって言ってたけどね。
 
 あー、そう言えば会の情報はないね。
 集まる場所と時間のメッセージが来るだけ。
 必要以上に踏み込んだやり取りもないし、個人の詮索もして来ない。
 だけど参加者同士がお互いの素性を隠さなきゃいけないようなルールもなくて、無駄に情報を出すようなやり方をしていないだけというか。
 
 あ、でも一つだけとても不思議なシンボルを見つけたよ。
 この前、初回参加分の報酬が振り込まれた。
 電子で。
 その振込名義が変わってるんだ。
 なんて読むかはわからないんだけど。
 えっとね、二文字でピリオドとアンド。
 そう、それだけ。
 なんて読むと思う?