01-03. 2XXX.06H03
「抜けてしまったメンバの話に花を咲かせるのはなんだかあまり建設的ではないように感じるから、どうやって探して来てるか。その話をしようと思ったら、この会の参加資格的なことを話せばいいかなと思う。実際は資格なんてないんだけどね、一応の簡単なルールや目的については今日が初参加のセツナもいることだし、ちょうどいいから話しておこうか。」
「あれ。そういえば、前回がピネの初参加だったけどそんな話はしなかったね。というか、私が初めて参加してから今までの間にもそういった説明はなかったように記憶しているよ。なんとなくそうなんだろうな、って会を重ねるごとに感じてはいた程度だ。」
「そうだね。カナメにもピネにも特段そういった説明はしていない。もちろんジルドにもそうなんだけどね。オレが前任者から会の主催を一旦引き継いだ時からそういう感じだったから深く考えてはいなかったんだけど。まずは開催頻度。これはみんなも察している通り、一応不定期なんだけど一ヶ月に一度を目安にしている。ただ第何週の何曜日とかはあえて決めずに、ランダムにはしているけれど土日が多いかな。学生も社会人も都合がつけやすいだろうから。これは実は結構適当に決めているんだけど、調整はしやすいように結構早めに決めている。で、みんなの端末にメッセージで送信する。グループはあえて作らないようにしている。別にメンバたちが各自で連絡先を交換したければ、それを咎めるようなことはないんだけど、強制的に個人間で連絡が取れるような状況にする目的がないから、オレだけが各メンバに開催の日程を知らせられればいい、と考えているからそうしている。」
「そうだったんですね…。そしたら、私後でカナメさんとID交換したいです…!」
「へえ!ピネからそんな風に言ってくれるなんて意外だね。嬉しいよ。では今日の会が終わったら交換しようか。」
「はい!…ありがとうございます!」
「うん、続きを話そうか。会の目的。これについてはオレもよくわからないんだ。ジルドが言うほどオレはこの会の核の近くにはいないよ。君たちとほぼ同じ立ち位置だと言っても過言ではないと思う。ただ、少し長くいたことで連絡係をしている程度。あとは、元々この会を開いて欲しいと依頼してきている人の連絡先だけ前任者から受け継いでいて、毎回の話の内容をかいつまんでレポートにして送っている。ただそれだけ。一応会の開催を望んでいるはずと思しき人間と連絡はできるが、レポートのやり取り以外には特に話をしたこともないし、メッセージだけの付き合いだ。」
「なるほど。では、その依頼主がどうしてこの会の開催を望んでいるか、についてはどこまで把握しているんです?」
「それはね、はじめに言った通り、日常で起きる非日常の話をしていることにも通じるんだけど、そういった、あまりたくさんの人が体験しないような体験を集めているんだと聞いているよ。なぜ集めているかはわからない。だから、そういうテーマでの会話をして欲しい、とオレからみんなにお願いしているんだ。レポートに起こすからね。」
「で、ドラゴン。メンバの探し方の話に戻そうぜ。その日常で起きる非日常。つまりそういう体験を多くしている人間を探さなきゃいけないわけだよな。そんなもんどうやって見つけてきてんだよ。」