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「あとはどうする?気が乗らないなら強制はしないよ。」
「こっちも詮索されたくねぇからな。自分のことを喋るつもりはないんだが。とはいえ、謎のドラゴン様のお話を聞けるってんなら、それはそれで面白ぇな。」
「こいつはジルド。口調は乱暴だし、見た目も荒っぽそうだが、まったく悪いやつじゃない。」
「おい、なんで俺の話をするんだよ。」
「自分で紹介するつもりがなさそうだったからセツナや、その次に日が浅いピネにも呼び名すらわからなかったら会話がしづらいと思ってね。ジルドはオレのなにが知りたい?」
「実際さ、こんな仮面舞踏会ばりのマスクをつけて、人によっては衣装を纏って、ヅラ被って。んで、自分のことを話しちゃいけないわけじゃねぇ、って言われてもなんだかわかんねーよな。そもそも俺らはさ、こんなよくわかんない集まりに定期的に参加して、話だけしてよ、そんである程度の金がもらえんだ。個人がどうってより、この会の裏側はきな臭ぇ。多分みんな思ってても、金もらっちまってたらツッコめねぇ、ってだけだ。ドラゴン様はこの会の一体何を知ってる?または何を得ている?」
「おやおや。ジルド、今日は珍しくよく喋るね。そんなにたくさん質問されても一度に答えられないよ。少なくとも君はこの会になんらかの不信を覚えているんだね。それはわかったよ。」
「んー、みんなそうだと思ってたけどそうでもねぇのか?俺は出所のよくわからん金をもらってるのがどうにも気持ち悪ぃってのはあるわな。」
「ああ、なんかおかしな話にさせちゃって申し訳ない。僕はまだそんな風に感じる間もなく今回が初めての参加なので、よくわからないぼんやりした話をする会って聞いたからそれがちょっと気になっただけなんだけど。…ルールとかはあるのかな。参加資格とか、脱会はどうするとか。」
「今んとこ、俺が参加してからは一人抜けたらどっかからドラゴンが一人連れてくる形で補充されてる感じではあるな。」
「へえ。じゃあ、僕が入る前にもピネの前にもカナメの前にも別のメンバがいたってことだね。」
「いきなり全部説明するのは難しいから、まずセツナの今の話に答えようか。ジルドの質問は無視してるつもりはないからこのあとに可能な範囲で。」