081 Episode SM 11 - 一歩
どうしよう。
どうしたらいいやろ。
不安そうな顔をしたオレンジさんが隣ですがるようにこちらを見つめる。
その通り。
どうすべきか。
どう動くのが最善かを考えることが現在の最優先タスクだ。
「オレンジさん、探しましょう。三人を。みんなを待っていたいところだけど、結局合流しても同じこと。ただし危険がある可能性はあるので、僕たちは離れないように。」
こちらを向いて目を大きく見開いたオレンジが、一瞬の間を置いてこくこくと頷く。
可能性を論えばキリはないが、それより動いた方が早い。
ついさっきまでここにいたはずの三人に何かあったとして、何があったか。
なんせ何かが起きてから大して時間が経過していないからこそ、動いた方が良いのだ。
平和的な理由を考えるより、最悪に近い可能性を考えて、そちらから潰した方が良い。
手遅れを防げるならその方が建設的だ。
母屋と長屋をざっと見た。
あとは本堂か。
それ以外だと屋外だ。
屋外でもさっき、可能な限り大声で呼び掛けてみたから、返答や反応がない時点で、考え得る平和的な理由はほぼなくなる。
多少厳しい状況を想定した方が良い。
やはり人的なものだろうか。
事故よりはその方がしっくり来る。
三人が襲われた流れもあり得るが、三人の中の誰かが何かを起こしたということもあり得る。
しかし、母屋や長屋には大きな違和感はなかったように思える。
または三人が共謀して何かをした、またはしようとしているならばまた違う形がある。
まずはまだ見ていない本堂へ行こう。
そう思って一歩踏み出した瞬間、物理的な引っ掛かりを感じた。
オレンジが服の裾を引っ張っていた。