072 Episode MH 12 - 霊芝は藤袴を探す
結局その後結香と話して得られた情報は特になかった。
どう考えるべきか。
どう振る舞うべきか。
ユメカゴが動いているのもわかっていたけれど、更に器に近づくためには接触は避けられない気がしてきた。
時が来るのを待ったのは正しかっただろうか。
いや、先走っていてもきっと成果はなかった。
私が器を手にするためにはどうすればいいか。
その最善策を考えるほかない。
一つ気になったことがあった。
結香は父親以外に身寄りがない。
しかし、手紙の主は父親ではないはずだという。
このおかしな状況はどういうことか。
可能性はいくつかある。
結香が嘘を吐いている可能性。
父親の目が実は見える可能性。
父親に目が見える協力者がいる可能性。
様々な状況を知っている結香と父親以外の第三者がいる可能性。
しかし、呪いの枝が本当に行方不明だとすると、結香や父親を疑うのは筋が違う気がする。
一つ思いついたことがある。
私は付近一帯の病院を回ることにした。
もう一つ、気になっていたことがあった。
手紙の差出人の意図だ。
何のために手紙は出されたのか。