049 Interlogue 03
先ほどまで6名もの人間がいて、声の響いていた部屋はすっかり普段の静寂を取り戻したようだった。
しかし、この真っ暗な部屋に、今は一人の人間がいる。
「もうすぐだ。ああ、待ち侘びた。この瞬間が来ることを。」
ボソっと呟いた声の主はやや上を見上げている。
その目の前には神棚があった。
男は両手を上に差し伸べた。
恍惚とした薄い笑みを浮かべる、しかし、その背後にもう一つの影。
音もなく近付いた影が、腕を振り上げて振り下ろした。
ぐしゃっ、と言う鈍い音がする。
恍惚とした男の表情からは何が起きたのかわからなかった。