031 Episode MH 05 - 白い輪廻
「結香、久しぶり。」
「久しぶり、じゃないよ。相変わらず強引なんだから!ていうか、何その格好。趣味変わったの?」
「まあまあ、聞きたいことも話したいことも色々あるの。まずはちょっとお茶でもしましょう。」
「うわ、その格好でいつもの喋り方だとすっごい変だよ…、合わない。」
「あら、そう?じゃあこれもどうにかしなくちゃいけないわね。」
久々に会った友人は、出合頭に盲点だった落ち度を指摘してくれたので素直に受け入れる。
私にとっては不慣れな土地なので、彼女の案内によってオシャレなカフェに入った。
どうやら自分には慣れた感じのお店だったけれど、またもや友人の「あなたの格好で入るお店じゃないかもね」という指摘に、なるほど、と相槌を打つ。
私はアイスティーがサーブされるまで話すのを待ったが、逆に旧友の結香が口を開く。
「で、何なの?その格好。」
「趣味が変わったの。」
「冗談はいいから。」
「どうしてわかるの?」
「あのねぇ…、服装以外のすべてが元のままだよ。」
「難しいわね。やってみるわ。…じゃなくて、わかった、いっちょやってみるか!」
「えええ、なんていうか相変わらず過ぎるね。」
「どう?イケてるだろ!?」
「その適応能力が気持ち悪い。」
「まあそれはいいとして、実は結香に会いに来たのはついでなんだ。」
「そんなこと言われなくてもわかるよ。なんでわざわざ私に会いに来るのにそんな服装にする必要があるのかって話。」
「結香も相変わらず賢いね。安心した。」
「どういたしまして。」
「もちろん本当の目的はこの格好とも関係があるんだけど、まずは結香の服装についても説明してもらえる?私はあなたと似たような格好になるつもりで来たのに。」
「私のバイトがちょっとね。」