026 Episode SM 06 - 透明な緑
"神の器の毒"と僕の特殊能力に繋がりが見えたのだ。
瞬時に色々考えてしまった。
この特殊な能力が姉たちの病気の原因になった可能性はないか?
だとしたら自分にもその病気が感染するのではないか。
姉の恋人が突然治ったのはなぜか。
その理由さえわかれば、姉も治るのではないか。
もしかしたら、自分が姉から病気をもらえれば、姉は治るのではないか。
怪しいと思っていただけの情報から、初めて大きな進展があったせいか、僕は興奮していたのかもしれない。
勢いに任せて、その話を目の前の女性に伝えてしまった。
「…そう。運命かしらね。私はペアというの。改めてよろしくお願いします。」
え?このタイミングで自己紹介?
どういう…。
「なぜ私が、私たちがこのお話を知っているかというと、そういった一般常識では計りきれない力を身近に感じているから。
つまり、あなたともお仲間になれる可能性がある、ということ。どうする?」
「え、えっと…、唐突過ぎて、なんだかわかりません。」
「ええ、そうね。もう少しお話するわ。私もそういう能力を持っているの。」
「え?」
このあともう少しだけ、この美しい女性と話をした結果、僕は彼女の言うお仲間とやらに加えてもらうための行動を取ることにした。
迷いはなかった。
次に呼び出された場所は夕暮れの公園。
行ってみると、男性が一人、女性が二人、いずれも初対面の三名と顔合わせをすることになる。
彼らはみな特殊な能力を持つ者なのだという。
そこで僕は当然、能力について尋ねられた。
多少言い淀んだけれど、元より隠すつもりはなかった。
僕の能力は透視だ。