024 Episode SM 04 - そして緑が混ざり合う
「あなたが知りたいのは、つまりあなたのお姉さんとその恋人に関わる病気について、ということね。」
「はい。そうです。」
「そして、その話を別の情報屋さんに相談したところ、私に取り次ぐことになった、と。」
「はい。」
「その病気について、その女性は"神の器の毒"と言ったのね?」
「はい。お心当たりはありますか?」
「うーん。答えるのが難しいわね。YESでもNOでもないから。」
「え?どういうことですか?」
「YESかもしれないし、NOかもしれない、ということよ。」
「YESかもしれないのであれば、詳しくお聞きしてもよろしいでしょうか。」
「申し訳ないのだけれど、簡単にお話して良い内容じゃないの。ちょっとこの話はとても複雑で。だからあなたにお話して良いものかどうか迷っています。」
「正直なんですね。」
「あら、正直じゃないように見えました?」
「あ、そんなことないです。すみません。」
「ふふ。ごめんなさい。ちょっとからかっただけ。」
「簡単にお話できない理由というのだけ伺うことはできませんか?」
「なるほど。面白いわ。…そうね、あなたを巻き込んでしまう可能性があるから、かしら。」
「巻き込む…ですか。それでは、僕が何だかまったくわかりませんが、巻き込まれても構いません、とお答えしたらいかがでしょう。」
「どうしてそこまでして知りたいの?」
「うーん…、そうですね、どうしてだろう…。……………納得行かないから、です。初めて人生で納得行かない、見過ごせないことにぶち当たりました。」
「巻き込んだせいで命を落とすかもしれないとしたら?」
「構いません。どうせ元々生きてても死んでても変わらないような人生を送っていましたから。」