020 Interlogue 01
「予定通りみんな集まったね。」
「うーん。予定より少し多いかも。」
「え?」
「でもこれでいい。すべてが予想通りに行くわけがないから。」
「まあ、そうね。」
「ただ、うまく事が運ばないと手遅れになってしまう。」
「手遅れになるとどうなる?」
「助かったはずの誰かが命を落とす…」
「それが誰かまではわからない、と。」
「うん、そこまではわからない。」
…二人の間に緊張感のある空気が張り詰める。
「まあ、できるだけのことをするしかないか。」
「うん。まだ間に合う。まだできることはたくさんある。…そうだ。」
「ん?」
「もう一つ、わかったことがある。」
「なあに?」
「鉄の千年桜は、おそらく器。」
「うわ、となるといきなりきな臭くなるね…。」
「どういうこと?」
「手遅れになると人死にが起きるのが不思議じゃなくなる、ってことよ。」
「ああ、そうかもしれない。」
「ところで鉄の千年桜が器だとして、本当に桜の木のような大きさの可能性はあるのかな?」
「うーん、ないとは言い切れないけど、今回は違うよ。」
「そう。了解。」