005 Episode RA 04 - 透視の葛藤
「あっははは!確かに!それはそうなるか。」
ジャガーが笑う。
笑い事じゃない!とオレンジが叫ぶが、もちろんこの気弱な新人が初対面の二人にそんな能力を行使しているはずもなかった。
オレンジは顔が紅潮していたが、おそらく私もだ。
薄明かりなので気付かれないはず。
ジャガーが続けた。
「でもさ、この能力が悪い印象を与える、って籠様も含めて俺たち以外の誰に?」
オレンジが、あ、という声を出して口をぽかんと開く。
ジャガーは明るく軽率に振舞ったりすることもあるが、非常に頭が切れる。
自分達の洋服を透かして見てるんじゃないかと恥ずかしくなっていた自分たちが馬鹿みたいに感じられた。
「えっと、カゴサマ…ってなんですか?」
「あれ?」
キューちゃんは籠様と直接会ったことがないらしい。
私でもオレンジでもジャガーでもない女性から、簡単な説明を受けてこの時間とこの場所にとにかくここに来た。
世の中には特別な力を持つ者が他にもいて、そういう人たちはきっとあなたの味方・仲間になってくれるから行ってご覧、って。
そっか、ペアと会ったんだ。
オレンジとジャガーもそう思ったに違いない。