004 Episode RA 03 - 彼の能力
新たな仲間は「キューちゃん」と呼ばれているそうだ。
なるほど、胡瓜のようにほっそりしている。
オレンジが甲高い声を上げる。
「キューちゃん!キューちゃん!」
「…は、はい…?」
いや、呼んだだけだよー、と言われて「?」マークが表情に浮かぶ新人。
若そうだが、私たちも十分に若いと思う。
「ところで、君の能力は?」
ジャガーが尋ねる。
「あまり…、言いたくないんですよね…」
「ん?」
「どういうこと?」
「悪用しやすい能力だから、悪い印象を与えてしまうみたいで…」
「余計気になるーぅ!」
オレンジが反応した。
「実際に悪用したりするのかい?」
ジャガーが更に尋ねた。
「い、いえいえいえ。とんでもない。そんな度胸もないし、元々そんな発想がなかったです。言われるまでは。
というよりあまりそういう興味も強くないようで…」
「って言われてもわからないけど…。」
わずかな沈黙。
「…僕は、…透視ができてしまうんです。」
私とオレンジが同時に慌てて視線を下に向けて自分の服装を確認した。
もちろん透けているわけはなかった。