Grim Saga Project

003 Episode RA 02 - 白い少年

 
 
 
現れたのは気弱な男性だった。
今度は私とオレンジ・ジャガー、三人の視界に入る位置からゆっくりと。
ほっそりとしていて、一見すると女性に見紛うほど華奢だ。
私たちの目の前まで歩いて来た。
 
「あ、あの…」
 
あまりにも想像と違う男性の登場にきょとんとしてしまった。
女性の中でもさほど背が高くない私やオレンジの二人とそう変わらない男性。
小柄で華奢、色白、高めの声。
 
「はい。」
 
私とジャガーがかろうじて返事をした。
もうだいぶ陽は落ちていて、辺りは暗い。
しかし、公園内にある街灯が薄く照らしているおかげで彼の顔も見て取れた。
気弱そうではあるが、整った顔立ち。
女性的、中性的ではあるが、正視すれば明確に男性とわかる。
 
「あなたたちが、僕の仲間になってくれる方々ですか?」
 
小さいがハッキリとした声で彼が尋ねた。
 
「そうだよー!よろしくね!」
 
オレンジが元気に答えたことで固かった空気が一気に和んだ。